排出事業者が廃棄物の処理を委託契約する際、廃棄物の不法投棄などを防ぎ委託処理を適正に処理するために、必要事項が記入されたマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付します。
このマニフェスト伝票は産業廃棄物と一緒に運搬することで、廃棄物の情報を明確にし、委託業者が適正に処理したかを確認することができます。
マニフェスト制度は平成10年12月から全ての産業廃棄物に対して交付することが義務付けられ、複写式の紙マニフェストと情報を電子化する電子マニフェストが使用されています。
電子マニフェスト
マニフェスト情報を電子化されたもので、排出事業者、収集運搬業者、処分業者が情報処理センターを介し、ネットワークでやり取りをする仕組みとなっており、紙の伝票は発生しません。
電子マニフェストを利用する場合は、排出業者・収集運搬業者・処分業者3社ともが加入していなければ使用することはできません。
電子マニフェスト利用の流れ
- 情報の登録
排出事業者は産業廃棄物を引渡してから3日以内に必要事項を情報処理センターへパソコンで入力し登録を行います。 - 運搬終了の報告
収集運搬業者は運搬が完了した日から3日以内に情報処理センターへ終了の報告を行います。 - 中間処理終了の報告
中間処理の完了した日から3日以内に情報処理センターへ終了の報告を行います。/li> - 運搬終了の報告・中間処理処分終了の報告
情報処理センターは運搬終了または処分終了の報告を受けた場合、排出事業者に終了したことの通知を行う - 2次マニフェスト情報の登録
中間処理業者は、廃棄物の引渡しから3日以内に廃棄物の種類ごと、行き先ごとに情報処理センターへ登録を行う。 - 中間処理後の運搬終了の報告
収集運搬業者は運搬が終了した日から3日以内に情報処理センターへ運搬終了の報告を行う。 - 中間処理後の最終処分終了の報告
最終処分業者は処分が終了した日から3日以内に情報処理センターへ終了したことの報告を行う。 - 運搬終了・最終処分終了の通知
情報処理センターは運搬終了、最終処分終了の報告を受けたら、中間処理業者にパソコンで運搬終了、最終処分終了の通知を行う。 - 中間処理業者からの最終処分終了の報告
中間処理業者は最初に登録されたマニフェスト情報に対し、最終的な処分終了報告を受けてから3日以内に情報書影センターへ最終処分終了の報告を行う。 - 排出事業者への最終処分終了の報告
情報処理センターは中間処理業者より、最終処分終了の報告を受けたら、排出事業者のパソコンへ最終処分が終了した通知を行う。
紙マニフェスト利用の流れ
- マニフェストの交付
排出事業者は7枚綴の伝票に必要事項を記入し、廃棄物の引渡し時に収集運搬業者から署名・押印をもらい、控えを取った後残りを収集運搬業者へ渡します。 - 運搬終了
収集運搬業者は残りのマニフェストと廃棄物を処分業者に渡し、署名をしたら収集運搬業者は1部を保管し、1部を10日以内に排出事業者に送付し、運搬終了の報告を行います。 - 処分終了時
処分業者は処分終了後、署名をしたら収集運搬業者と排出業者にそれぞれ10日以内に送付し完了を報告します。1部は保管します。 - 最終処分終了時
処分業者は交付したマニフェストで最終処分終了を確認し排出事業者控えに最終処分終了日と最終処分の場所を記入し、排出事業者へ10日以内に返送します。 - 返送されたマニフェストの確認
排出事業者は適正に行われたか確認し、その伝票は5年間保存しなければなりません。
マニフェストに関する違反を行うと、排出事業者、処理業者は各都道府県から措置命令を受けることになり、刑事罰に処せられることもあります。