産業廃棄物の収集運搬業を継続的に行うためには、経理的基礎を有していることが条件となっており、内容を判断するためには、直前三年間の当期純利益(経常利益)の金額、自己資本比率の状況や税金の滞納がないことが判断材料となります。
財務状況によっては、新規の申請や許可の更新ができないところがありますし、追加資料を添付することで要件を満たすこともできます。
熊本県の場合は、不許可となることはありませんが、「経営改善計画書」を提出することで許可の継続や新規申請を行うことができます。
経営改善計画書の提出が必要になるパターン
個人又は法人で営業実績が3年未満の場合
新規申請の際は直前三期分の貸借対照表、損益計算書、株主資本変動計算書、個別注記表、納税証明書を提出しますが、経営期間が短い場合の申請であると、三期分の実績がないため、経営改善計画書の提出が必要となります。(個人事業開始・法人設立と同時に許可の申請をする場合も該当します。)
内容は以下のものが求められます。
- 今後5年間(更新時まで)の収支計画書
- 実績が無いことの理由
更新時の直前事業年度が赤字の場合
直前三期分の実績があっても、赤字であれば経営改善計画書の提出を求められます。
内容は、以下のものが求められます
- 業績の推移
- 今後5年間(更新時まで)の収支計画書
- 赤字計上等の要因
- 事業改善方策
- 改善スケジュール
- 実施管理体制と実施責任者
※様式については提出先でもらうこともできますが、内容が含まれるものであれば、ご自身で作成されたものでも構いません。
都道府県によって内容が異なりますので、熊本県以外の場合は各申請先にご確認ください。
経営状態が悪く、経理的基礎の要件を満たすことができなければ、廃棄物の処理を適正に行うことができず、不法投棄や放置といった事態を招きかねません。不適正な処理をさせない未然防止のためや、悪質業者を排除するために経理的基礎の要件は重要とされています。産業廃棄物収集運搬業許可の更新を控えている業者の方は、更新前の決算期には要件を満たすための対策が必要となるでしょう。