産業廃棄物の収集運搬業許可で申請している運搬品目に変更が生じた場合、変更届ではなく、変更許可申請をしなければなりません。
更新の際に運搬品目を追加したいと気軽に言われる方がいらっしゃいますが、新規で申請した運搬品目を簡単に変更することはできないのです。
新規で申請する際に実際運搬する物と運搬するかもしれない物全て申請することをお勧めします。
変更届と変更許可申請の違い
変更届
許可申請した内容に変更が生じた場合(申請者に関する事項、事業場、事務所、運搬車両、株主等)は変更届を提出します。
変更許可申請
新規で申請した事業内容(運搬品目の追加、積替え保管あり)について変更が生じた場合に申請が必要となります。
例えば
木くず、紙くず → 木くず、紙くず+がれき類、廃プラスチック類
のように現在許可を持っていても許可のある品目以外の廃棄物を運搬しようとする際は品目を追加するために事業内容の変更許可を申請しなければなりません。
追加する品目に対する容器や運搬車両が必要になることもあります。
変更許可で追加する品目は何種類でも追加できます。
特に、古い建物を解体される場合は排出される廃棄物に加えて石綿含有産業廃棄物も入れておかないと解体後、運搬することができないことになります。
含まれる場合は受入れ先も対応したところに運搬することになるので事前に確認が必要です。
また、平成29年10月1日以降から水銀廃棄物に関しても新たな対応が必要になり、10月1日以降に新規や更新の申請をする場合は、「水銀使用製品産業廃棄物」「水銀含有ばいじん等」について運搬の有無を申請し、それに応じた容器等も申請することになりました。
平成29年10月1日以前に新規または更新をしており、最初の更新の際は変更許可ではなく、申請書に追記することで追加ができますが、その後に追加する場合は変更許可の申請を行い追加することになるので、これから更新をされる方は十分に確認を行い申請するようにしましょう。
熊本の場合、水銀廃棄物を処分する施設がとても少なく限られていますので、申請の際に処分業者に事前に受入れてもらえるか確認をした方が良いでしょう。
積替え保管なし→積替え保管ありに変更する場合も変更許可になりますが、熊本の場合保管場所の申請がなかなか通りにくいので、積替え保管ありでの申請も難しいと言えます。
もし考えていると言うことであれば、行政書士に依頼することをお勧めしますが、大変時間がかかり、保管場所の申請が通らないこともあることも念頭に置いておきましょう。
費用について
変更許可申請にかかる費用
- 一般産業廃棄物:証紙代71,000円+その他実費
- 特別管理産業廃棄物:証紙代72,000円+その他実費
行政書士に依頼する場合は別途費用がかかります。
追加をせずに運搬はできるのか?
まず、処分業者が受入れてくれないのでその時点でアウトです。
無許可で運搬することは違反行為になりますので、罰金刑にでもなれば、お金を払えば済むことはありません。
欠格要件にも該当することになるので無条件で許可の取消となります。
産廃についての取締はとても厳しいので、ちょっと誤魔化せないかなど安易な考えを持つと大変な目に遭います。
変更許可申請の手続きは新規の申請とほぼ同じになり、面倒に思われるかもしれませんが、申請さえすれば堂々と何でも運ぶことができますので、面倒な場合は専門家に依頼する事をお勧めします。